第3章 3章
「こんにちは、先生」
3人の後ろから現れたのは前髪で片目が隠れた男の子だ。
「こんにちは。えーと…貴方が紫原くんの言ってた氷室くん…?」
「はい、こうして会うのは何気に初めてですよね。」
彼は氷室辰也くん。
以前から紫原くんから話は聞いてたんだけど中々会う機会に恵まれなかったのだ。
「……この人が敦のお姫様か…」
「……ん?」
あれ、今ちょっと何か聞こえたような……
お姫様って……彼が何故私の昔の話を知ってるんだろう……?
紫原くんが話したのかな……?!
「…どうかしました?俺の顔に何かついてます?」
私は何も言わず首を横に振った。
いや、聞かなかったことにしよう。そうしよう。
「先生お洗濯終わったアルか?」
「これからみんなで飯に行くんじゃが先生もどうかのう?」
「あ、いいね!後ちょっとで終わるから私もみんなとご一緒して良いかな?」
「勿論!大歓迎!!」
「寧ろお手伝いしますよ、こっちのジャージは何処に干します?」
こうしてバスケ部のみんながお手伝いをしてくれる事に。
……ってあれ。
「そういえば紫原くんは?」
「紫原なら今日はサボりですね…すぐどっか行っちゃうんですよね、はぁ…」
福井くんが大きくため息をついた。
まぁ紫原くんからも時々部活めんどーい…という声を聞くことがあるので…
「多分先生と昼飯食ってるって連絡入れたら秒で飛んでくるんじゃないアルか?」
「確かに。敦は先生のこと大好きだもんな。」
「え…」