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せいたかのっぽの王子様

第2章 2章


次の日の夕方…


「ふぅ……そろそろ床の掃き掃除でもしようかな。」


机の上の書類をまとめてファイルにしまうと椅子から立ち上がる。



箒を取りにロッカーまで近付くと、窓の外からカリカリと何か不思議な音が聞こえてきた。



「ん、なんだろ」


作業の手を止めて窓を見るとそこには白い毛並みの可愛らしい猫が窓を開けようと必死に手を動かしていた。


「あ!!みーちゃん!」


この子はみーちゃん。
私が紫原くんに初めてあった日に助けた猫さんだ。


何日か前から時々こうして陽泉の保健室まで遊びに来てくれるようになったのだ。

窓を開けるとスッと保健室の中に入ってきて小さくミィと鳴いた。


「今日は遊びに来てくれたんだね。」

私の事を覚えていてくれてるのか手を差し出すと頭を擦り寄せてくれる。

「にゃあ〜」

「ふふ、可愛いなぁ…」



少し撫でて上げるとまるで喜んでいるかのように目を細めた。



みーちゃんと戯れているとガラガラと今日も保健室の扉が開いた。


「おつかれち〜ん……ってあれ、こんな所に猫がいる〜」


紫原くんが目を丸くしてみーちゃんを見つめる。


「あ!紫原くん丁度いい所に!
あのね、この間助けてくれた子なの!紹介しようと思って…!」


「そうなんだ〜 元気になって良かったね。」

紫原くんが近付くと大きい彼に驚いているのか少し縮こまってしまう。


「大丈夫だよ、この子もあなたを助けてくれたのよ。」

私がそう言うとみーちゃんは少しづつ紫原くんに近づいて行く。
近付いてきたみーちゃんに目線を合わせるように紫原くんも屈む。

「よろしくねぇ〜」


「名前はみーちゃんって言うんだよ…って言っても私が勝手にそう呼んでるんだけどね。
人馴れしてたからもしかしたら誰かの飼い猫さんかもしれないし…」



紫原くんがみーちゃんに手を差し出すと嬉しそうに頭を擦り寄せていた。



「そうなんだ。改めてよろしくねぇ〜、みーちゃん」



良かった…
紫原くんとも仲良くなれそう。
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