第2章 2章
二人でみーちゃんと遊んでいると不意にみーちゃんが立ち上がって窓の方へ向かっていく。
「あれ、どうしたのかな?」
「にゃあ」
みーちゃんは振り返って私達の方を向いて短く鳴いた。
「ねぇ、もしかしてついて来いって事じゃない〜?」
紫原くんがそう言ってみーちゃんの方を見つめた
。
「ね、ちん…行ってみよーよ。面白そうだし。」
「うん、行ってみよっか。ちょっと待っててね。」
そう言って二人で昇降口へ向かった。
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昇降口を出て保健室の前まで来るとみーちゃんは待ってましたと言わんばかりに にゃあにゃあ と声を上げた。
そうしてそのまま校門の方へ歩いて行く。
「何処に向かってるのかな…」
校門を出て少し曲がった所の住宅にたどり着く。
そこには小さな平屋のお家がポツンとあって
みーちゃんはそこへなんの抵抗もなく入って行ってしまった。
「んー…めっちゃ人ン家だよね、俺ら入って良いんかなぁ」
「うーーん…」
二人で入っていいものかと悩んでいたら奥から優しそうなおばあちゃんがみーちゃんを抱いて歩いてくる。
「おやおや、猫さんが嬉しそうにしてるから何かと思ったらお友達を連れて来てくれたのねぇ。」
おばあちゃんはどうぞと手招きをして縁側にご招待してくれた。
みーちゃんと遊んで待っていると奥からお茶とお菓子を持っておばあちゃんが来てくれた。
「わざわざすみません…こんな素敵なお茶とお菓子まで…」
温かいお茶と一緒に出された三色団子を頂きつつ頭を下げる。
「いいのよ〜 久しぶりのお客さんだものゆっくりしていってちょうだいねぇ」
ふわふわとした白髪のおばあちゃんはコタケさんというお名前で昔からこの地域に住んでいらっしゃるそう。
私と紫原くんはみーちゃんと出会った経緯などコタケさんとたくさんの世間話をした。
「あらあら、猫さんみーちゃんって素敵なお名前貰ったのねぇ」
「ん〜?おばーちゃんずっと猫さんって呼んでたの〜?」
「そうなの。ずっと名前を考えてたんだけど思い付かなくてね……素敵なお名前つけてくれてありがとうねぇ」
そう言ってコタケさんは優しく笑っていた。