第2章 2章
お菓子パーティも終盤、お腹が膨れたのか紫原くんは保健室を物色。
何か見つけてはこれは何かとか、これはどうやって使うのかとか色々興味を持って聞いてきてくれる。
「あ、これもしかしてちんの家族写真〜?」
そう言って紫原くんが取り出したのは小さな頃の私と両親が写った写真立てだった。
あの中に入ってる写真はいつ撮ったものかは覚えてない。
──両親は交通事故で私を守って死んでしまった。
それから幾つもの親戚の家を回って…
ようやくこの地に辿り着いたのだ。
「ちっせぇちん先生かわい〜」
写真立てを持った紫原くんは何故か私の隣に座る。
「ねぇねぇ、ちんってなんで先生やろーと思ったの?」
先生になった理由か…
「お父さんがね、先生だったんだよ。子供たちに優しく接するお父さんを見て私も未来に輝く子たちを見たくて先生になったんだ。」
紫原くんはふ〜ん呟いてと写真立てをまじまじと見つめる。
「それじゃあちんのお父さんまだ先生やってるの〜?」
私は無言で首を横に振る。
そして、両親は亡くなった事を紫原くんに伝えた。
彼は驚いた顔をして俯いて「ごめん」と言った。
私は大丈夫だよと返した。