第2章 2章
時は数日流れ、とある日の夕方……
「ち〜ん」
ガラガラと保健室の扉が開いて紫原くんがやってくる。
あの日を境に何故か懐かれているらしく(?)毎日のように保健室にやって来るようになった。
「ちんいる〜?」
次の日も
「ちん疲れたぁ〜〜…ねぇお菓子ちょうだ〜い?」
その次の日も
紫原くんはやって来る。
そして次の日の夕方…
ガラガラと扉を開けて彼は保健室にやって来た。
今日はいつもの時間よりちょっと遅めだ。
「いらっしゃい紫原くん!
でも今日はごめんね…お菓子買い忘れちゃったの…」
私がそう告げると紫原くんは大丈夫〜とズイと私にコンビニの袋を差し出した。
「今日は俺がお菓子持ってきたよ〜
見てこれ、プリン」
そう言うと紫原くんは机の上にプリンを2人分並べる。
更にその横にはポテチ、ポッキー、ポップコーン…
次々とお菓子が並んでいく。
まるでお菓子たちの可愛らしいパレードのようだった。
「今日はお菓子パーティにしよ〜?
いつもちんからお菓子貰ってるからそのお礼〜」
「うふふ、嬉しいな…ありがとう!今飲み物入れるね。」
…本当はこんなことしてると他の先生方に怒られちゃうんだけどね。
──バレないように、
こっそりと開かれた2人だけのお菓子パーティ。
何にもない、仕事ばかりの人生だと思っていたけどこの時間だけは私にとっては至福のひとときだ。