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せいたかのっぽの王子様

第2章 2章


新人デビュー、養護教諭として陽泉高校にやってきた私。
そこで出会ったのは偶然にも今朝方助けて貰った高校生の子だった。



名前は紫原敦くんというらしい。



最初出会った時、あまりの身長の高さに驚いてしまい固まってしまった。
聞いたところによるとなんと2m以上あるそう。



自己紹介が終わったあと世間話をしていたが、どうやら彼は少し飽きたらしく保健室の中をウロウロ物色し始めた。

授業まではまだまだ時間があるので自由に過ごして貰うようにした。



って私も先程崩した棚の荷物を直さなければ…



床に落ちた資料を拾っていると「あー」と紫原くんの声が聞こえた。



「これ、今月発売のまいう棒の新味じゃ〜ん」



そう言って私の机の2番目の引き出しを開けてお菓子を発見する。



そういえば紫原くんお菓子好きだって言ってたな。



紫原くんが発見したまいう棒はあとで試そうと思って定番の味と合わせて何本か買ったものだ。
発見した張本人は新味のまいう棒を見て目を輝かせている…


「よかったら食べる…?」



「えっ…いいの〜?!やったぁ〜

ありがと、ちん!」


「ち………え?」



なんか今すごい不思議な呼び方をされたような…?


新味をもぐもぐと食べる紫原くんがなんだか可愛く見えた。

目の前に紫色の妖精がいる。可愛い。



「ちん、はいコレ。」


そう言って彼は新味のまいう棒を私に差し出す。



「元々ちんが食べるために買ったやつでしょ〜?今一緒に食べちゃお〜よ。」



紫原くんはそう言って少し笑う。
時計を見るとまだ時間は大丈夫そうだったので2人でソファーに並んでまいう棒を頬張る事にした。


「この新しい味、けっこういけるね…リピートしちゃいそう。」




「分かる〜 俺も学校終わったら買いに行こ〜っと」


そうしてちょっとしたお菓子パーティは進み、予鈴と共に終わりを迎えたのだった。
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