乙女ゲームの一生徒に転生した私は穏やかに暮らしたい
第2章 情報整理が夢でした
「おはよう」
教室に入り、ふんわりとした笑みを浮かべながらクラスメイトに挨拶をする女の子。
垂れ目で、まつ毛が長い。
水色の瞳は輝いており、会話中だからか、その瞳が優しげに細められる。
廊下から吹く風が彼女の茶髪を優しく揺らしていた。
間違いない、この子は──。
おもこえの主人公、雲雀冴ちゃんだ……!
うわー凄く可愛い! 見ているだけで癒される。多分マイナスイオンとか出てるんじゃないかな。
主人公を視界に入れた私の、階段を上った時に蓄積された疲れはいつの間にか回復していた。
多分私の頭上にゲームでよくあるHPゲージがあれば、そのゲージはぐんぐんと回復していっている事だろう。冴ちゃんは回復ポーションなのか……。