第19章 うちはイタチ part2
「それからイタチ...早く此処を離れろ」
「まさか!」
「嗚呼...根の奴らがオレを追っている。このままオレに会っている事がバレてしまえば、お前まで拘束されるかもしれない...
オレが逃げる際、根の奴らはヨルさんが阻止してくれた」
「!ヨルさんが!」
「そうだ。ヨルさんはオレ達の味方だ。
あの人も自分を犠牲にしてでも、クーデターを阻止したいそうだ。だがダンゾウが何やら後ろ盾から、"圧"をかけそれを"抑制"している。自由に動く事が出来ないだろう」
「!」
「それは恐らく...」
隊長...はたけカカシか
前に言っていた、血の繋がらない弟...
彼らを人質に囚われている...?
答えが分からない。真実は本人に聞くしかない。
「イタチ」
「なんだ...?」
「今まで、ありがとう。
お前が親友で嬉しかった」
「え?」
「オレは死ぬ」
そう言うとゆっくり...
そして
ゆっくりと...
一歩...足を後ろへ動かす
その先は崖
落ちれば命は助からない奈落の底
「ま、待て!!」
死ぬ???
何を馬鹿なぁ!!
「オレが死ねばいくつかの状況が変わるだろう。遺書も残してきた」
「待ってくれ!シスイ!」
オレは尽かさず手を伸ばした。
「止めるなよイタチ。
オレの
友ならば!!」
シスイは躊躇なく身体を宙に浮かせた
そして
そのまま...
「シスイぃぃぃいい!!!」
シスイは奈落の底へと旅立った。
最期に見た親友の表情は
きっと忘れる事は無いだろう。
それは余りにも儚く...
美しかった...