第19章 うちはイタチ part2
「そして考えた...
普段は夜瑠の精神が表にでる。
戦闘の時はヨルが表に出てきて、ヨルとして戦場に赴いた。
簡単に言えば操作が出来る多重人格だ。
そうする事で少しでも夜瑠の負担が減らせると思えたからだ。
そうして脱獄出来るタイミングを虎視眈々と狙っていた。
暫くそれで事なき終えていた。
夜瑠とヨル
私達は2人で一つだと
しかし
そのバランスが徐々に崩れ去っていた...」
「バランス?」
「私達の実験は、私達以外に成功者が居ない。
だから、何をもって成功になるとは分からないんだ。
2人で一つ...この現状を維持していき、多重人格を操る事により、夜瑠とヨルの精神が均等を保っていた。
しかし、ある日を境にそれが崩れた。
夜瑠からふとした瞬間、突然ヨルに変わり
戦闘中急に、ヨルから夜瑠に変わったり。
それも私達の意思に関係なくだ...
考えられる要因として、私達が知らない間に実験者に何か細工をされていたんだろうね」
「......」
思わず眉間に皺がよる
「そして、バランスが崩れ出し何度か夜瑠も死にかけ、心が疲弊していった
そして日を追うごとに
徐々に
夜瑠は
心が壊れ始めた...」