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私が帰る理由

第18章 うちはイタチ part1


ドォォン!!



砂煙と共に強大な岩がオレ達の間聳え立った。

「ッ!」

「ヨルさん!」
砂埃と強大な岩のせいでヨルさんの姿が見えない。
オレは痛む身体をどうにか起こし、ヨルさんの元へ伺う。

「!!」







するとそこには......





右腕が岩によって下敷きとなり

地に寝そべるヨルさんの姿があった。





「ヨルさん!!腕が!」
しかしヨルさんは、痛みで奇声を上げる事なく、眉を寄せ...

「死修羅斬」


静かにそう言うと


岩は雷鳴と共に粉々となった...







ヨルさんは静かに上体を起こし、立ち上がった。



そして左腕にチャクラを溜め、振り上げては......




勢いよく自ら右腕を切り落とす



「!ヨルさん何を...」

「イタチ...私の右腕...預かってろ」
ヨルさんは切り落とした右腕を無造作にオレに放り投げた。
右腕は...と言うよりも、岩によって潰れてしまい、夥しい血液や、関節が痛々しく曲がり切っており、更には皮膚の原型が留めていないほど哀れな姿な腕。
しかしヨルさんは平然としていた。


「白壁...」

ヨルさんは左手をオレに翳し、白壁でオレを守った。

「イタチ此処にいろ...直ぐ戻る」

「しかし!」
色々と聞きたいことがあった。
身体は大丈夫なのか?
そもそも何故そんなに平然としているのか...
腕は大丈夫なのか?
喉まで出かかった言葉はとりあえず飲み込む。
崩れ落ちてくる瓦礫が重なり合い。隙間からしかヨルさんの姿が確認出来ない程、場は迫っていた。
背後から襲ってくる敵の火遁の術はもうそこまで迫っている。

ヨルさんはオレに背を向け

「大丈夫だ。安心しろ」
柔らかい優しい言い方。まるで女神の様...

だが、次の瞬間...





「グガァァワアァァ!!!」

それはまるで地獄の様な敵の叫び声

雷鳴の音...
悲痛な叫び...
生を強請る哀れな声...

その空間を震わした...


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