第18章 うちはイタチ part1
ヨルは静かにイタチと鬼鮫の背後に降りたった
「...ガイっ...お前...」
「カカシ、お前の気持ちも分かるが...今はこれがベストだ」
ガイは更に眉間に皺がよる。
ガイは思う。本当は守らなければならないヨルをこの場に連れてくるのは得策ではない。
しかしうちは一族と干柿鬼鮫2人同時に対抗出来るのは"最強"のヨルだ。そしてヨルを連れてきてしまうのは、自分の力不足もあるのだと言う真実...自分の実力差が歯痒いガイ
「これはこれは...木ノ葉隠れの姫君にして、忍び界最強と謳われた忍。六棟ヨル 。またの名をチェイサー(追跡者)...貴女の事は存じ上げておりますよ。狙った獲物は逃さないとか......」
「霧隠の怪人。干柿鬼鮫......今はイタチの相棒さんかな?」
「私の事まで存じ上げて頂けているとは光栄ですね。相棒とは......全く面白い事を言う方だ...」
鬼鮫は今にもヨルに飛びかかりそうな程、ニヤリと殺気立つ。
だがヨルは表情を変えず真っ直ぐにイタチと鬼鮫を見据えた
「鬼鮫。その人とやり合うな...
死ぬぞ」
カキンッ!
「!」
ヨルの三叉槍とイタチのクナイが合わさり火花を散らした
「「「!」」」
いや、正確に言えばヨルは瞬時に鬼鮫に詰め寄り三叉槍を手にして鬼鮫の首を捕えようとした。
しかし流石ヨルの元部下であるイタチは、写輪眼とヨルの動きを予測し、一瞬にして2人の間に割って鬼鮫を守る。
(なんて早いッ!イタチさんが居なければとっく私は......ククッ...これが"最強"六棟ヨル!)
「...私の事.....覚えているんだ..嬉しいよイタチ」
「1日たりとも忘れた事はありませんよ...ヨルさん」
三叉槍とクナイが軋み合う
ヨルとイタチは互いに視線があう
するとイタチはヨルの耳に顔を寄せ
「.........」
何かを耳打ちした
「......」
ヨルは力を抜き、イタチもヨルと距離を置く
「ではヨルさん...いずれまた...」
そう言うとイタチと鬼鮫は瞬身にてその場を後にした