第16章 木ノ葉崩し
「これは!」
両手が化石化し大蛇丸の腕が力無く項垂れる......
「これで両腕は使えぬ......両腕が使えぬ以上印も結べぬ......お前に忍術はもはや無い...
木ノ葉崩し......ここに破れたり......」
これで......儂のやるべき事は終わったの......
これで......
「クッ!この老いぼれが!私の腕を返せ!!」
「愚かなるかな大蛇丸。共に逝けぬのは残念じゃが......我が弟子よ...いずれ...あの世で会おう...」
「よくも!よくも私の術を!!」
大蛇丸が儂に何か言ってるのォ...
だが......もう意識が遠退くなる......
儂は死ぬ......
ゆっくりと目を閉じた...
『六棟ヨルだ』
『ヒルゼン!これはなんだ!』
『アンタが余所者の私と、一緒に茶菓子を食べてくれたからだ....嬉しかった』
『いいだろう......アンタの右腕になってやるよ』
『おいぼれを労ってるだけだ』
『......何言ってんだ?最近流行の年寄りの冗談か?』
『3代目火影様...どうか。死なないでください...』
『...ヒルゼン...いってきます』
瞼の裏に浮かぶのは...
これは走馬灯かの......?
幼い頃から今までのヨルを思い出す...
良い思い出ばかりじゃ
楽しかったの......
そして辛い思いをさせてしまった
......ヨルよ
最後に...
お主に会いたかった......
.........
......
「飛雷神の術」
「ヒルゼン...」
ん?視界が霞み、殆ど見えん......が
ヨル......なのか...?
............
......
嬉しいの...
屍鬼封尽の先は天国でも地獄でもない...
じゃが......
ここは天国かもしれん......
最後に
儂の大好きな
ヨルの...
お主の笑顔が見れたから...
儂は幸せものだったの.........
「良い人生じゃった.....」
ありがとうヨル