第16章 木ノ葉崩し
回想
バクタside
大蛇丸のアジト
ある書室の机の上に大量のカルテが散らばっていた。大蛇丸はそのカルテを眺め、そしてある一つの写真が付いたカルテを手にとり、見つめながら椅子に腰掛ける
その写真の人物を愛おしそうに......
「大蛇丸様?」
幼き俺は大蛇丸の元へ訪れた
「あらバクタじゃない?入ってきなさい」
「その写真の子誰?」
「嗚呼...この子?可愛いでしょ?
今は六棟ヨルちゃんね」
「ヨル...ちゃん?」
俺はその写真の子を見たくて大蛇丸の側により眺めた
「......可愛い」
これが最初だった。俺が六棟ヨルを知るきっかけわ...
写真の子は俺と同じぐらいか?
なんだろう...歳の割にかなり大人びた印象を受けた。そして写真のその子の眼が頭から離れなかった
その子の眼は......闇を抱えていたんだ......
時は流れ俺も大分成長した。
青々と草木が茂る中で俺は朝から修行をしていた。目的は特に無いが、強くなるに越した事はねえ...
「バクタ。以前より強くなったけど、まだまだだわ」
「大蛇丸様よー俺は誰にも負けねえぞ。」
「貴方が知らないだけで外の世界は貴方より強い子なんてザラにいるわよ......例えばそう......六棟ヨルとか」
「そういや居たな。そんな奴。んでそいつは確か大蛇丸様のお気に入りだったか?」
「そうよ。今じゃ忍び界最強なんて噂も流れてるわよ。いずれにしても私の者になる子よ」
「けっ!変態蛇野郎に目をつけられて可哀想に...」
「.........さっさと修行に取り掛かりなさい...」
六棟ヨル...
久しぶりに聞いた名前だな......
確か...あの眼......
「クソ!あの眼だけが、ウゼェほどチラつくぜ」
記憶を忘れる様に右手で無造作に髪の毛を掻き上げる