第16章 木ノ葉崩し
「ヨル」
「ん?」
「この結界から出るのは可能か?」
「......三叉槍に飛雷神のマーキングをしている」
ヨルは地面に刺した三叉槍をチラッとみた
「大蛇丸は儂が相手をする...
お前は里に入ったであろう敵を皆で排除じゃ。
指揮はお主に任せる」
「......分かった...」
ヨルは小さく頷きヒルゼンに背を向け歩き出す
「ヨル...」
「ん?」
「自分の身体を大切にするんじゃぞ...」
「努力する...」
「....ヨルよ」
「......」
「ダンゾウの呪縛を解けず...すまんかった」
「!!......フン......」
ヨルは顔を伏せ小さく笑い数歩歩く。そしてピタリと足を止め、再度顔を上げ眼に邪眼を宿しこう言った。
「...ヒルゼン...
いってきます」
「!!...嗚呼...木ノ葉を頼んだぞ!」
「嗚呼...」
ヨルは飛雷神の術で、マーキングしていた三叉槍へと飛ぶ
ヒルゼンside
『...ヒルゼン...
いってきます』
(いってきます...か...久方ぶりにお主から"その言葉"が出たの......)
「最後の別れは済みましたか?先生?」
大蛇丸はニヤつきながら儂に言う...
最後の別れか...
「温泉の約束をしているんじゃ」
「なんですか?」
「いや...こっちの話じゃ」
こんな場でも、前日のヨルとの会話を思い出すの...
そうこうしている内に、音忍は内側にも結界を張り儂もそう簡単に出れんくなったわい...
仕方がない...
まだ死ぬわけにはいかん!
「構えろ大蛇丸...
猿飛ヒルゼンの名に掛け......
お前を倒す!!」
「いいですね...また貴方と戦えるなんてね...」