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私が帰る理由

第15章 第三次試験 本選


「ヨル...」
ゲンマはヨルを思うばかりそっと抱き寄せた...
その行動にヨルは驚きはするもの、何故か何かに救われる様な...そんな気がし身を委ねる

「たく...ヨルがこんなにも思い詰めてるのに、カカシの野郎は側に居ねえのかよ」
「クス...カカシはサスケに付きっきり。私は蚊帳の外なだけ」
ヨルは少し笑みが出て冗談ぽく言う

「......そんじゃあ......今はオレがカカシの代わりになってやるよ」
ゲンマはヨルを抱きしめるながら言う。

「カカシの変わり...?」
「おう。まぁオレに抱きしめられてろ」
(ゲンマの匂い...こんな安心するんだ。)
「肝心な時に側に居ない奴なんかよりも、オレの女になるか?」
「ならない。てか、私はカカシと付き合ってない」
「知ってる。じゃなきゃ人の女に手出さねえよ」
ゲンマとヨルは、笑みを浮かべながら話し合った。


「何に悩んでるのか知らねえが、お前の判断に間違いはねえ...」
「......そうかな...」
「そうだ。なんだって...

オレはお前の事ずっと見てたから」
だから大丈夫だと。ゲンマは抱きしめながら囁く

「...ありがとう...。なんか元気出た...」
ヨルは少し身体を離しゲンマに優しく微笑み言い返す

「その表情...」
「え?」
「いつものお前だ。迷いをせずただ突き進む。それがオレが知ってるヨルだ」
「......そうだな」

「ヨル...オレは......」
ゲンマは愛おしくヨルを見つめた

「ゲンマ...」
だがヨルは目を伏せ、ゲンマが咥えていた千本の一番端を咥え自身の口で、スッとゲンマの口から千本を抜く。
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