第14章 ※束の間ひととき
「3代目火影様...どうか。死なないでください...」
跪き項垂れるヨル。悲しみを帯びた声がヒルゼンを包む。
「ヨル...」
ヒルゼンは何かを思い静かに目を閉じる
「やっぱり...この格好と口調は私らしくない」
やれやれと言わんばかりに立ち上がり、ヒルゼンに向き直る。
「じゃあ私は帰るよ。明日に備えてもう寝なよ?」
体に触るぞと言う。さっきとは打って変わっての雰囲気だ
「お主もよ」
ヨルはヒルゼンに近づき、ぎゅっと抱きしめる
「!」
「......」
無言のまま両手に力が入る
「.....ヨルよ...今まで本当に......
すまなかった...
ありがとう」
「ヒルゼン......
おやすみ.........
じゃあね」
ヨルは猿飛邸を後にした
「ヨル...」
ヒルゼンはポツリと呟く...
「はぁ.........」
右腕は静かに
一筋の涙を流した...
日付けが変わった
誰よりも悲しい1日を迎えたのだろう
さぁいよいよ本選だ