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何も知らない僕たちは

第14章 14


「すまんのお鳩原、急に訪ねて」

「何、お前と私の仲じゃないか。
おお、鬼太郎見ない間にでっかくなったな。最後に会ったときはこんな小っちゃかったんだぞ?
最近は冷え込んできただろう?さ、上がった上がった」


某日、鬼太郎達はある陰陽師の元を訪ねていた。話を聞けば自分の父親の知り合いらしい。



「…前からずっと気になっていたんですけど…どうして鳩原さんは僕等の味方でいてくれるんですか?

悪を滅す事と沈めることはある意味対称な事だと思うんですが…」


暗い静かな廊下を歩きながら大きな背中に問いかけた。

「ん?そうだなぁ…

確かにお前の親父と知り合いってのもあるが、


お前達のやってることは俺達”には”できない事だからだ」


「!」

「陰陽師ってのは随分前からある物の怪を滅する方法でな、昔はそれでよかったのかもしれない。だが、時代ってのは移り変わっていく物。事業開発なんかで建物がバカスカ建てられて、あいつらの居場所は徐々に減って来てる。それに合わせて俺達の方法も変わっていくべきなんだが、

皮肉なもんで人間はそれ以外の方法を持ち合わせていない。人間は怪物と話す術を持っていない。お前さんがやっているような妖怪と調和していく方法ははっきり言って難しい。

だが人間はそれが”できないから”とするんじゃなくて”それしか方法がないから”って決めつけて自分の弱さを自覚しようとしないんだ。傲慢だよな」


「…だから、僕等は陰陽師に嫌われるんですね…」

「だから俺はお前達を尊敬の意味でこうやって手を貸してやってるんだ。だからそう気を落とすな」

そう言って大きな手を頭に乗せてくれた。肩では何故か父親が誇らしげに頷いている。この問題の靄の一つが少し晴れた気がした










「で、今日はどうしたんだ」

「陰陽師の事は陰陽師しか分からないと思ってのぉ。

近日大人しかった妖怪達が急に暴れ始めた。じゃが、それはお札によって操られたものであったことは既に調査済みじゃ」

「明らかに手口が人為的だったので犯人は陰陽師しかいないかと…誰か心当たりありませんか?ダイウイキョウの家紋です」

「…!」

その話を聞いた途端、鳩原は眉を上げた



そして一口お茶を含んだ後、話始めた


「いいか、これは陰陽師でも広まっている重大な問題だ。心して聞けよ」
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