第13章 13
「ん、どうしたの?」
カヲルが自分の顔を痛ましげに見つめるので気になった。カヲルは鬼太郎の頬を親指で拭った
「あ、これ?さっき戦ってた時にできた傷。大丈夫、大したケガはしてないから…ねえ、カヲルちゃん?聞いてる?」
カヲルはそんな話は全く聞いてない様子で引き出しをごそごそ漁り始めた。そして一枚の絆創膏を勝手に傷に貼った。
少し怒り顔でぽかぽか叩いてくるものだから焦る
「………ははは、ごめんごめん。わかってる、次は気を付けるから…
そういえば何読んでたの?」
言葉を理解するとカヲルは本を見せてくれた
「…”簡単!にほんごの喋り方”…?」
カヲルの顔を見るとカヲルは手を使って話し始めた。カヲルは最近このように会話をすることが多くなった。彼女曰く確実に伝えたいことはノートに書くけど別にどちらでもいいときはニュアンスが伝わればいいと。
「………ははは、大変だったんだね」
「何を言ってるのかわかるのか?」
「いいえ、多分喋り方の練習をしてたようですけど、今日覚えられたのは一個だけだって伝えてるのかと」
「分かりずらい時はないのか?」
「そりゃあ全然ありますよ。けど、カヲルちゃんが自分の言語で話してくれるのは心を開いている証拠だと思うので…嬉しいです。
あ、でもこっちに無理に合わせようとしなくていいんだからね!今の状態で不便だなんて僕は全然思ってないから」
カヲルはなぜか少し不貞腐れた