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何も知らない僕たちは

第13章 13


グワアアアアア!

「ぐっ…指鉄砲!」


チュンッ



「鬼太郎!」

「はい!」



パシッ



「………!俺は一体…」

「よかった、戻りましたね」

例の謎のお札を調査している二人。だがぶり返しを起こしている妖怪はそれほど多くなく、難航していた。

『恐らくあのお札が何か関係していると思うのですが…』

『うむ、次に会うときがあればそこを狙ってみるといいかもしれん』



「鬼太郎、お札から僅かじゃが妖気を感じる!」

「…!確かに…」

「これがはがれたときに妖怪は正気を取り戻した。元凶はこれで間違いないじゃろう。いわゆるコアのようなもの」

「これがコア…あ…」

またしてもお札は塵となって消えた

「身元を特定されないために妖気がなくなると、あるいはとりつく相手がいなくなると消えるようじゃな。よくできておる」

「……けれどこのままじゃ誰も救えない…」

「こんなことができるのは恐らく陰陽師の人間だけじゃ。あてのある人物から聞き込みをするしかないのぉ」

目玉おやじは悩まし気に腕組みをする。これを解決するのに一体どれだけの労力と時間がかかるのだろう

「もしかして鬼太郎か?俺は今何があったんだ!?」

「誰かに操られて凶暴になっていたんだ。やっぱりその時の記憶はないみたいだね。
記憶が飛ぶ前に何か覚えてることはない?襲った人の顔を見たり…とか」

「…………申し訳ねえ、どうも思い出せねえや」

「そっか…」

「そうか、おれがここを荒らしたんだな…おまえにも傷を負わせて」

「あ、」

そこで初めて自分の顔に傷があることに気が付いた。乱戦で意識していなかった

「いやいや、大丈夫。これぐらい日常茶飯事だし三日ぐらいで瘡蓋になるよ」

「すまんな、助けてもらったのになんの手助けにもなれなくて」


鬼太郎はその時の俯きが気がかりだった。

『この件…一歩間違えれば被害を被った妖怪に矛先が向くかもしれない…
目的は一体…

僕たちだって懸命に生きてるのにそれを邪魔する人間って…』(ギリ…


「いや、違う…」

「?」
その怒りは一度沈めた。自分が幽霊族でなければ理性を保つことは容易ではなかっただろう。だが、踏みとどまった。カヲルのことを思い出したからだ
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