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何も知らない僕たちは

第6章 6


「父さん、今までに人間と妖怪が深く交わったことはあるんですか?僕が思ったことを聞いてみんなはどう思うんでしょうか………?」

少女のいつもの寝顔を見ながら父親にそう聞いた。目玉おやじは遅めの茶碗風呂に浸かりながら鬼太郎と話す

「なあに、わし等幽霊族にとってはそんなことは珍しいことではあるまい。歴代の先祖もそうした代も少なくはない。わしも例外ではないだろう?」

「…そうでしたね」

「だが妖怪全てが同じ意見を持つ、あるいは賛同するかと言われたら答えは否じゃ。

妖怪も人間のように多種多様に存在する。彼らも人間との間で絶妙な関係を保ち、自覚しつつもそれなりの生き方があり、昔から人間と対立してきた妖怪もいる。


鬼太郎、お人好しだからといってあまり一人でことを抱え込むな。

お前は全妖怪の当主ではない。人間と少し違う関わりを持ったただの息子じゃ。それができなかったからといってお前に責任はない。
まあ、少なくとも横丁の皆はお前を慕っているからのぉ。それ位は信用してもいいだろう」

「はい、父さん…!」

明日みんなに話に行こうと心に決める

「そういえばこの子に布団はもう掛けてやらないのか?」

「あー、なんか掛けても僕の方に戻されてしまうのでもう折れました」

もうさすがに新しい毛布でも買ってやろうと思った鬼太郎であった






















「ろう…鬼太郎!!!」

「いててて!!」
髪の毛を引っ張られ目を覚ますと目の前に父親がいた
どうやらもう朝らしい

「どうしたんですか?」

「もぬけの殻じゃ!!」
その言葉ですぐに察知した。またどこかへ行ってしまったのだろう。こう何度も抜け出されることに少し心を痛めつつも今は手掛かりを探した。

『僕は彼女のことは何も分からない、何かを伝え合ったことがないから。
一体君は…何がしたいんだ………』

「鬼太郎!」

「机に手紙!?」
誰のものか分からないが文字の形が見たことないので少女のものと仮定する他なかった













名も分からぬ男の子と目玉のお化けさんへ

まずはごめんなさい。きっと今頃驚いているでしょう、ですが逃げた訳ではありません。それはまず安心して下さい。真実をお話しするのに私がこの場にいてはきっとバツが悪いと思った私のただのエゴです。なのでこう手紙を書いた次第です。
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