• テキストサイズ

明日晴れたら

第34章 混乱



「でも…ナルト君は基本的な体術というより、機転を利かせて相手を煙に巻く動きが多いような気がします。いつの間にか、新しい術も身に着けてるかもしれませんよ」

私はカカシさんの話を思い出して言った。本選に向けて修行をすると言っていたはず。

ナルト君の元気一杯の顔が目に浮かび、一段明るい声が出てしまっていた。イルカ先生がこちらを見て笑う。

「はは、俺もそう思ってます。でも、最近アイツに会ってないからなぁ」

会いたいなぁという思いを滲ませて、イルカ先生が言った。弟みたいな彼が可愛くて仕方がないらしい。

「私もナルト君の元気な顔みたいです。他の子もそうですけど、やっぱり会うと元気がもらえますよね」

「確かに、子供は元気の塊ですからね。まあ、ナルトに関して言えば、エネルギーが有り余ってる感じも否めませんが」
「ふふ、そうですね」

私たちは、しばらくそうして本選に進む生徒たちの話をした。最近見聞きしたことや、アカデミー在学中の思い出などで話題が広がり、話はつきない。

ふと気づくと、いつの間にか次の授業時間になっていた。私は慌てて資料を手に取り席から立ち上がった。

「あ、私次の授業が…。しまった!つい話に夢中になってしまって。イルカ先生は大丈夫ですか?」
「ああ!もう、こんな時間か。俺こそ、引き留めちまってすみません」
「いえ、いいんです。じゃあ、行ってきます」

イルカ先生が済まなそうに頭を下げる。私も会釈を返して、バタバタと職員室を走り出た。

/ 212ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp