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明日晴れたら

第6章 光と影



 「よし、そろそろ出発するぞ。皆集合だ」

隊長のカカシ先輩から号令がかかり、僕らは一か所に集まった。少し和らいだ空気も、その合図で一瞬で引き締まる。

それぞれ異なる獣の顔を模した面をつけた男たちが並び立つ。今回は四人の小隊で、いずれも優れた忍術を持つ者ばかりだ。


「暗殺戦術特殊部隊」、通称「暗部」。
僕はこの部隊に所属している。この木ノ葉隠れの里の長、火影が直接管理する部隊。

里に舞い込む任務は、その実力に応じてランク分けがされているのだが、難易度にかかわらず、秘密裏に処理される任務が主に暗部が担うものだ。

素顔をさらし、その当人として動くのは正規部隊や医療班。
対して、本来の姿は隠したまま動くのが、暗部という存在だ。

任務時は仮面で顔を隠し、コードネームを用いたりもする。表ざたには出来ない事柄を担当するため、何者かはわからない方がいい。

きっとそうして里に奉仕して、消えていった忍は数えきれないほどいる。


*

文具店で会った彼女の顔を、何故鮮明に覚えているのか。
それは、自分が今いる場所に起因するような気がした。

暗部といっても、任務から解放される時間がないわけじゃない。そんな時は、仮面を外し、一人のこの里の住人として普通に過ごしている。昼中の明るい陽射しの中を歩くとき、開放感と共に不思議な感覚に包まれた。

まるで夢の空間のようだ。

この里の主要な商店が並ぶ木ノ葉茶通りを進むとき、店先でおしゃべりを楽しむ人たちは、本当に幸せそうで明るくて、それを眺めているだけでも僕の胸は温かくなる。

だから、次の任務の準備が整えば、のんびりと里巡りをしていた。


それでも常の感覚が手放せず、予想以上に人が近づくと裏の裏を読む習慣は消えなかった。相手の真意を知ろうとして深読みをする。貼り付けた笑顔で、人との最も適切な距離を取ろうとした。

影に潜む時間が長かったせいか、その習慣は簡単には変わらない。

アカデミーを卒業した少年期から、青年期の今に至るまで、既に十数年以上経っている。その間ずっと、僕は暗部に所属している。

出自や身に着けた特殊な忍術が故に。
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