第8章 年上彼女 * 越前 リョーマ
鼻にかかった甘い声
その声、もっと聞かせてよ
「くすっ。甘えん坊さんだね?」
「そんなことない」
「ダメだよ?」
まな板の上に包丁を置く先輩
「何がダメなの?」
本気じゃないくせに
ちゅっ、ちゅっ
わざと音をたてて、首すじや耳の後ろにキスをしていく
それだけじゃ満足できないと俺の下半身が脳に命令をしてくる
命令されるの嫌いなんだけど……
でも、その命令には逆らえるワケもなく
俺の右手は、胸を揉み始め
左手は、腰や太ももを撫でまわす
「もう、ダメだってば……」
「ダメじゃないよね?」
耳元で囁くと身体を跳ね上げ
「もう~意地悪だよ……?」
「なにが?」
「……う~」
小さく唸る声が、可愛い
照れてる証拠だよね?
「言ってくれないと分からないよ」
「……なまえ」
クスッ
「みみ……真っ赤だよ?」
「だから!意地悪なんだよ」
普段は、年上ぶるけど呼び捨てにすると
途端に態度がかわる
それが、可愛いんだけどね