第7章 ムード作り * 真田 弦一郎
感動しているようだな
では、とっておきのヤツを……
「……俺からの愛の囁きだ」
耳もとで囁いてみる
これで、ばっちりであろう
感動して声もでんのか
流石が、俺だな。
そして、抱きしめる
力を込めて
嗚呼……
髪の毛だろうか
良い香りがするな
力をほんの少しだけ緩め、キスをしようと顔を近づけていくと
ぱしっ
の手の平で、口を押さえられてしまったんだが
何故だ?
何故、俺を上目遣いで見つめているのだ?
まあ、それも可愛いのだが
「弦一郎……」
「気に入ったか?俺のムード作りは」
「はあ~」
大きな溜め息とともに座り込む
目線を合わせるように俺もしゃがみ込んだ
「弦一郎……」
「どうしたのだ?言いたい事があるならハッキリと言わんか」
「……色々と残念なんだけど」
残念?
「でも、コレって私の為……なんだよね?」
「勿論だとも!お前に喜んでもらいたくて
俺なりに一生懸命にだな…!?」
突然、の唇によって俺の言葉は消されてしまう
「ありがと(まあ、かなりの勘違いだけど。弦一郎なりに一生懸命やってくれたんだもんね)」