第7章 ムード作り * 真田 弦一郎
俺の姿を見て笑った仁王は、許されるべきではないが、今は我慢をしようではないか
俺は、なんて心が広くなったのであろう
これもすべては、愛するのため
ああ…
なんて格好良いんだ、俺は……
「自己陶酔しとるとこ、すまんが……」
「……はっ!?…ん…ゴホン!!なんだ仁王?」
「さっそく、始めるからこっちにきんしゃい」
仁王の後をついて行くと誰も近寄らない空き教室
中に入ると
「赤也?」
「ちぃーす」
目線は、俺に合わせたまま頭だけ下げる
「こらっ!赤也!!いつも言っておるだろ?お辞儀というのはだな…」
「まあ、堅いことは後にしてくれ。赤也、ちゃんと用意したか?」
「用意しましたけど、仁王先輩無茶ぶりッスよ~。LINEでいきなり用意しろってさあ」
ん?
なんだ?
赤也は、バックから紙袋を取り出し仁王に手渡す
それを仁王が、中味を確認し
「ほう……なかなかじゃな。俺好みのサイズじゃ」
「お礼にいってくださいよ。待ってるって言ってましたから」
「わかっちょるよ」
満足気に笑いながら、仁王が紙袋から取り出したモノは……
「ち、乳バンド!?」
「ブラジャーって言ってくださいよ。副部長」
呆れたような赤也の声が聞こえたが……
俺は、目の前にある乳バンドに釘付けだ