第5章 初めての • • • * 真田 弦一郎
突然、声をあげ下着から、手を抜く。
ガマン汁にびっくりとしたようだな。
このチャンスを逃してなるものか!
の腕を引き寄せて、体制を入れ替える
今度は、俺が見下ろす番だ。
「……さなだ?」
「お前は、いつまで俺の事を『真田』と呼ぶのだ?」
気付いていた。が、キスをしない俺に不満を持っていたことは。
でも、俺だって不満を持っていたのだぞ?
キスをするタイミングは、名前呼びをしてくれた時にしようとしていたのに!
仁王のせいで、台無しだ。
奴には、後できっちりと制裁をせねばならぬが……
今は、目の前にいるに制裁をせねば、なるまい。
「いつまで待てば、いいのだ?」
わざとくちびるを外し、頬やおでこ、耳に口付けをしていくと、身体を小さく跳ねあげる。
「えっ…ん……なま……え……?」
「そうだ……名前だ」
の後頭部に手を差し入れ、髪の毛をキュッと掴み、顎をあげさせる。
持ち上がった顎にキスをする。
「げん…いちろう……」
躊躇いがちに呟いたの声が、照れたように微笑むその顔に、愛おしいさが募り
キスを求める。