第5章 初めての • • • * 真田 弦一郎
私から、雑誌を取り上げようとするけど、その前に私が、ポイ捨て。
上から、見下ろしているとバツの悪そうな真田。
「アレは、俺の持ち物では無い!断じて、無い!昨日、アイツらのうちの誰かが……!」
必死に言い訳を始める真田。
くすっ。
その姿が、あまりにも可愛いくて、さっきまでの怒りが、消えてしまったんですけど。
その代わりに違う感情が、湧き上がってくる。
「アイツらって……誰……?」
「アイツらとは、丸井とか、赤也とかだな。
つまり、丸井とか、丸井とか……(何か……の雰囲気が……変わった?瞳が…妖しく光っているんでは……?俺は、見た事があるぞ。その妖しく光っている瞳を……
精市だ!俺に意地悪をする時の精市に、似てるぞ!)」
やっぱり、慌ててるみたい。
その証拠に、何回丸井って言ったの?
「少し……黙ってよ……」
薄目を開けながら、真田のくちびるに自分のくちびるを重ね合わせていく。
ぴくんと、身体を小さく跳ねらせる真田の反応が、愛おしい。
仁王のキスの仕方を思いだしながら、キスを重ねていく