第5章 初めての • • • * 真田 弦一郎
お互い、無言のまま真田宅に到着。
現在、正座をして向かい合っているんですけど。
微妙な空気が、流れていて……
戸惑ってしまう……
さっき見た光景が、頭から離れなくて……
視線のやり場に困って、キョロキョロと辺りを見回していると
「んにゃ?」
本棚のとある場所で、視線が止まってしまった。
真田らしくない、無造作に置かれた雑誌。
気になり、その雑誌に手を伸ばし……
コレは……いわゆる……エロ本……
真田って……こんなの観てるんだ。
「どうした?」
背中越しに聞く真田の声に、ワケも分からずイラついてしまう。
私という彼女がいるのにも、関わらず
キスもしてくれないくせに……!
指一本、私には、触れないくせに……!!
自分は、こんなお姉ちゃん達相手に……!!!
抜いてたんですか!?
私の彼女としてのプライドが、音を立てて
崩れていくんですけど?
「、どうしたのだ?」
私の肩に手をかける真田を、振り向き様に押し倒し、素早く跨がる。
何が起きたのか、分からない真田の瞳は、開かれたまま。
「ねえ……私より写真のお姉ちゃん達のが、興味あるのかな……かな?」
目の前に雑誌を突き付けてやると
「むわっ!な、なんでそんなモノが、ここに!?」