第5章 初めての • • • * 真田 弦一郎
仁王のキスは……
大人か?
いわゆる、ディープキスっていうやつなのね?
女の子の腰を抱き寄せて、髪の中に手を差し込み、固定させちゃって……
何度となく、キスを交わしているんだけど
時折、舌をだして、絡ませ合って
なんともいえない高揚感に包まれていく。
そうっと……自分のくちびるにふれる。
純粋にキスしたくなっちゃうんだけど
真田は?どうなの?
気付かれないように、盗み見ると
俯いている……
表情が、分かんないだけど。
あっ、耳……あかくなってる。
ぎゅっと、私の手を握り締めて、その場から早足で歩きだす真田。
後を追いかけるように私も早足に。
「真田?」
「、早く、帰るぞ!」