第5章 初めての　•　•　•　　　＊　真田　弦一郎　　

翌日、蓮二に言われた通りに、真田を連れて
告白スポットで、有名な桜の木の下に向かってみると………

あらっ、先客が……

「好きなの……！」

告白タイム真っ最中なので、真田と近くに隠れて様子をみることに

「マズいのではないのか？」

「静かにしてよ……だって、気になるでしょう？」

「しかし……だな」

だって、告白されてるのは、モテ男の代名詞、仁王雅治なんだもん。
相手は……後ろ姿だから、分かんないかな


「付き合って下さい！」

「無理じゃよ」

苦笑いをしながら、女の子の髪を撫でていく

「じゃあ、記念にキスして下さい！」

えっ！？
記念にキス！？

仁王くんの首に腕を絡ませていく女の子。

「ごくっ……」

隣りで、生唾を飲み込む音がして……
ちらりと真田を見ると……

………………ガン見してる？

興味、あるの？
真田のくせに？

「ん……」

甘い吐息混じりの声に、私もガン見。

嘘でしょう？

キスって……
チュッじゃないの？
くちびるとくちびるが、少し触れ合うようなもんじゃないの！？

何、がっつりしちゃってるのよ！