第3章 グルグル巻き巻き *白石蔵ノ介 彩菜様に捧げます
あれ?
蔵の顔が近い…と思った瞬間…
何が、どうなったのか分からず…
あたしの両腕は、頭上で蔵の手によって拘束され
横になっている。
あれ? あれ?
妖しく微笑む蔵。
「包帯の使い道はなぁ…」
右手で、あたしの両手首を持ち、左手で包帯をグルグルと巻いていく蔵。
そのスピード、手際の良さ。
流石、無駄のない動き。
日頃から、無駄を省く蔵らしい…
って…
感心している場合じゃない!
「えっ…とぉ…蔵?」
グルグルに巻かれたあたしの両腕。
そして、あたしに跨がる蔵。
この状態は……
「彩菜…」
あたしの頬を手の平で、撫でていく蔵。
うわっ。
ドキドキしちゃうんですけど…
「俺…実は…」
「実は…?」
「グルグル巻き巻き系やねん」
はあ?
グルグル巻き巻き…系?