第3章 グルグル巻き巻き *白石蔵ノ介 彩菜様に捧げます
「あっ…一つ、気になる事が…」
「何や?」
「それ…」
左手の包帯を指差す。
前に金ちゃんから、聞いたんだけど…
「毒手?」
「んなわけあるかいな。毒手ネタは、ゴンタクレ専用や」
「だよね~」
「知りたいんか?」
「えっ?」
「これの本当の意味…」
うん。
知りたい。
蔵の事は、すべて知りたい。
「後悔せぇへん?」
妖しく光る蔵の瞳。
一瞬、戸惑ってしまったけど…
好きな人のことは、やっぱり知りたい。
「うん…後悔しないよ」
「まあ…彩菜やったら…ほんまの事、教えたる」
しゅるしゅると包帯を取っていく蔵。
すると…
傷一つ付いていない綺麗な腕。
「どや…?」
「うん…綺麗な腕…」
「せやろ?」