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黄色い花の冠を君へ

第14章 これから…(フリスク)


「…私じゃなきゃ………ダメなの?」
私は怖がっていることをうまく隠しながら彼に聞いた

「……あのね、

それに何よりも…

君のことを愛してるからだよ」

「……え」


「一目惚れだったんだ。君と地上に帰れたらどれだけよかっただろうって…遺跡を出てからもそればかり考えてた…

けどね、やっぱり帰ってきたんだ。みんなと一緒がいいって」

「…?」

「君とこうやって夕日を見られるのも君への愛があったから。君にとってはおせっかいかもしれないけど、僕が君を守りたいし、色んなものを見せてあげたいんだ」

言っていることは分からなかったけどフリスクは震える私の手を握ってくれた

「…愛…か…」

私はただの器としてこの世に生まれて、時々バックアップされて生き物にされた。ただ一つ、私は感情の取得に苦労した。一度その経験をしなければ学習できなかったからだ。正直辛かった。自分だけが浮いているような気がしたことに、悲しみを知るには悲しみを経験しなければならないことに、アイだけが私に備わっていないことに。
けど、それら全てが今では懐かしく思える。確信が付いた。この人と一緒にいれば私は愛を知ることができる、そんな気がした。


夕日に照らされ、私に向けられたフリスクの瞳はかつて寝たきりの旧友と同じ熱を持っていた

「…昔は友達は愛を教えてくれたの。

貴方は私に、愛を教えてくれる?」

「うん…もちろん」

今はうまく笑えないけど、いつかそんな日が必ず来る。包まれた安心感で私たちの影は一つになる


※少し離れたところから涙ながらに見守るトリエルだった
「わが子よ…」
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