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黄色い花の冠を君へ

第15章 悪夢の始まりと解放のおわり(Gルート)ちょっとキャラ寄り


「ノエラ…」

「ごめんね」

「…」

「私、キャラとアズを…守れなかった……」

「………何を言ってる。ノエラは今の今まで生きててくれた。それで充分じゃないか」
こんな偽善の言葉、一体どの口が言っているのだろう

ノエラはううんと首を振る

「私、結局今回も見殺しにした。友達も、兄弟も、家族も……
きっと天国に行ったら歓迎されないね…」

周りの人達がどんどん殺されていく中、自分一人だけ生きている事がどれだけの地獄か…自分の中では分かっていた

「大丈夫、私とアズがいる」
その弱り切った小さな身体を抱き締める。儚いその存在は、すっぽりと埋まってしまう

「そっか、……
アズは…?そこにいるの?」

「……………ああ、いる」
苦し紛れに嘘をつき続けた。頑張って来た彼女に、最期の最期はせめて綺麗なままでいて欲しい

また三人で遊べるねと、初めて見た綺麗な笑い顔が今はそれですら苦しい要因になっていた。


死期が近いのか、息と言葉が段々途切れてきた。言う事があるなら今しかない
「きゃら………」

「何だ」

「私、…今ならあの時の……分かる気がする」

「…?」









「きゃら…私、きゃらがすき…!」

「!」

「あのときのは…そういう、意味でしょ?」









「……ああ、



私も好きだ、ノエラ。

愛してる」

そのふっくらとした唇に強引にそれを押し付けた。

ずっと、こうしたかった…

自分の借り物の身体から満たされていく感じが昇るのが分かる。ゆっくり離してやると、へにゃりと笑った

「すき…きゃら、すき」

「うん」

「天国に行ったらね、アズと一杯遊んで……きゃらのこと言って………デーとも一杯して……はぐして、………ちゅーして………」

「うん、うん…」
そのまま、彼女は眠るように落ちて行った。












「おやすみなさい、眠り姫。永遠に、そのままの美しさで…」


額に再び口付けると、立ち上がる。ここにもう用はない。

ナイフを拾うと再び最奥を目指す。















さあ、プレイヤー。君の欲が招いた小さな、小さな物語の結末を私と共に見に行こうか?
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