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黄色い花の冠を君へ

第13章 押してダメなら引いてみろ(キャラ)


「私は、……自分の気持ちを口に出すのが苦手らしい。もういい大人なのにとんだ子供じみた性格してる。口にしないと分からないと言うならそれは正しい。けれど、お前を本当に私の手に包むことが怖い。奇麗なお前を汚してしまうのを夢で何度も見続けた。お前を手に入れられたことは嬉しい。これも夢なんじゃないかと思うくらい。

だが私は他の人よりも欲が強い。離れてしまうくらいだったら、私が狂って閉じ込めてしまう前にこの関係のままいてくれればいいって思った」

そっか、だからここに来てくれたんだね。自分が失敗を犯したことを自覚していたから。私が他の人のところへ行ってしまうのが怖かったから。それを嫉妬というのだけれど。
キャラはずっとニンゲンが嫌いだった。私と出会ってその価値観が歪んでしまった。彼は一度も自分の幸せについて考えることがない

「…キャラ、私は貴方が私と一緒にいることで幸せになれるならそれでもいいと思ったから…OKしたんだよ。
私は分かってるよ。キャラが自分の価値観も重い愛も持ってるし、それは間違ってないってこと。それでも、私を選んでくれたんでしょ?」

「!」

「キャラ、それは汚しているんじゃないよ。私が貴方に惚れ込んで貴方に合う形になろうとしている証拠。私はそれも受け止める覚悟で貴方の傍にいるの」
そう言って私の首にぶら下がっているキャラとお揃いのハートのロケットを撫でた。I LOVE YOUはキャラだけの言葉じゃない

「ノエラ…」

顔が見えるように正面に座りなおして抱きしめる。もはやハグをしたのも久しぶりだったためそれだけで幸せになれる。自分でも思うがちょろい女だ
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