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黄色い花の冠を君へ

第7章 花園(アズゴア)


「ラーララ…ラララ♪」

「パパ」

「…!ノエラか…」

「水やりってところかな?」

「そうだね」

ほんの気まぐれで王宮に足を運んだ私。ステンドグラスから漏れるちらちらした優しい光は今も変わっていない。
今は玉座は一つしか置いていなく、その周りにはあの黄色い花が一面に咲いている

「まさか本当にここで育てるとは思わなかった…」

「ははは、一人になってから園芸を始めてね、いつの間にか
プランターに収まらなくなってしまったから


























それにこうしておけば息子への弔いにもなるだろう?」

「うん、だといいね」

今でも黄色い花は私とアズリエルとキャラの思い出を彷彿とさせる。
二人の喧嘩を仲介したことも、アズリエルに花の冠をもらったことも、キャラにいくらかいたずらされたことも細かく、よく覚えている。過去は変えられない。それは不動の定理だけどこの心の痛みは還元されないままずっと残っている。一緒にいた私たちは特にその傾向が強く、枷を付けて生きている

とても重い

もう一度二人に抱きしめて欲しい。
それが今の率直な願いだった
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