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黄色い花の冠を君へ

第4章 バレンタイン企画(フリスク、キャラ)


「はあ…」
らしくない、ため息なんて。さっきフリスクに好きの意味を教えてもらった。なら私はキャラのことを好きなのだろうか。極論を言ってしまえば、嫌いではないから好きという部類に分けられるはず。でも”好き”が二人あっていいのだろうか。ママやパパのことを好きとは少し違う。
トクベツなもの…
いっそこのままの関係を保った方が、好きに気が付かないほうが楽なのかもしれない…


「なかなか見つからない…」

遺跡やスノーフルのまちを歩いているがキャラの姿はどこにもいない。となればホットランドか…
キャラはスイーツ即売会の会場にいた

「あ、ノエラ」

「キャラ、こんなところで何してるの?」

「買い物。見てみろ、今イベントやってるんだ」

「本日のスイーツ即売会はバレンタインのキャンペーンを実施中で~す!」

店員のマフェットが呼びかけをしている。ニンゲンのイベントはビジネスでも重要なんだ

「あらぁ、可愛いお嬢さんもスパイダースイーツいかが?売り上げはすべて本物のクモたちに寄付されまーす」
マフェットのお決まりの文句。クモの仲間たちに日々精進していることが分かる
せっかく来たので一つ買ってあげることにした
「すごい繁盛してるね」

「味や形を増やしてみただけよ~でもお陰様でがっぽりよ!これもニンゲンのイベントとやらの効果のおかげね~アフフフフ」

「それでノエラ、なにか用があったんだろう?」

「あ、うん。えっと、これママと作って…でも、スイーツ食べてるならおなか一杯だよね?」

「はあ?食べるに決まってるだろ?ボートで家まで帰るから。行こう」

「うん」

「渡し守さん!スノーフルまで」

「タルラリラ~どうぞ御乗りください」







「クッキーか…無難だな」

「初回だから簡単めなのにしたの。あ、でもそれはキャラのために生地にチョコを練りこんだの」

「ははは、よく分かってんじゃん。…うん、普通においしい」

「普通は余計」
ボートの上でクッキーをおいしそうに食べるキャラを見ると、作ってよかったって思うしさっきの靄も忘れられた

「…お前は好きな人とかいるのか?」
なのにどうしてその話題を出すのだろう

「気になるの?」

「別に」

「うーん、いるかな」

「…!」

「あは、嘘だよ」

「ここから突き飛ばすぞ」


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