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黄色い花の冠を君へ

第1章 貴方が来るまで…


「あなたどうして!」

「駄目だ、今後地下世界に落ちてくるニンゲンはどんな事情であれ生かしては置けない」
ある日の夜、こんな会話を聞いてしまった

「アズリエルを虐げたニンゲンが全てではないはずよ。多種多様なモンスターがここで暮らしているのと同じように!あなたも心の底ではわかっているんでしょ……?」

「………だが今回の件でニンゲンに恨みを持つモンスターは増えた。私がそのことを撤回したとて納得してもらえるはずがない…」

「それを何とかみんなを説得するのが王様の役目でしょう!?」

「何より、もうあんな悲劇を引き起こしたくない。その原因となる芽があるのなら引き抜くだけだ。
そうでもしなくては、あの二人の命の損失が無駄になってしまう。彼らの意志を私が継がなくてはならないんだ」


「…………あなたはニンゲンとモンスターの橋を分つことが二人の意志だって、そう言いたいの?
はあ、貴方にはあきれました。
私はノエラを連れて出ていきます。邪魔者がいなければ制度を続けやすいですもの。好きになさい」

そんな…二人ともあんなに仲が良かったのに…
私のせい…

「パパ、ママ…」

「ノエラ!」

「キャラとアズのこと…あれは計画だったの…!」

「「!」」

「キャラがバリアを壊すために自ら毒を…それでアズがキャラのタマシイを使って六つニンゲンのタマシイをとってバリアを壊す予定だったけど、アズはニンゲンに虐められて死んじゃってそれで…」


ぽんと頭に置かれたのはママの手

「そうだったの…嘘をつかれていたのは残念だったけど…
ごめんね、一人抱え込ませてしまって。独りみんなを失っていくのを見るのは辛かったでしょう?
きっとキャラもアズリエルも人を思って去って行ったんでしょう。わかるわ、あの子たちは優しくて大事な我が子ですもの」

いつものようにママが抱きしめてくれた

「けど、これはこちらの問題なの。分かって頂戴。残念だけど、パパとはお別れになるわ。大丈夫よ、私一人でもちゃんと面倒見てあげます」

頭はもう真っ白だった。バラバラになった家族。キャラ…これが本当にあなたが望んだことなの?
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