第8章 試合の前日
「昨日は玲王がアンタの事、独り占めしよーとして連れてこうとしたじゃん?
俺だってと久々に会ったのに……。」
『いや、、あれは独り占めという訳でじゃなくて、、』
説教だよ、と私が言うより早く凪はさらに続ける。
「あの時、玲王が珍しく苛ついてたから2人にさせた方が良いのかなって思って俺は身を引いたんだよね。」
『・・・・。』
「・・・けどさ、あれから部屋戻って寝ようとしても何かモヤモヤして寝れなくて。
玲王はちっとも戻って来ないし。
俺、今まで寝れなかった事なんて一度も無かったのに…。
あ、でも気づいたら寝てはいたんだけど。」
『・・・う、うん…』
何て言葉を返せば良いか分からなかった。
自意識過剰かもしれないけど、何だかまるで凪が私に好意を寄せているように聞こえたから…。
凪はゆっくりと上体を起こしその場に胡座を掻くと、じっと観察するような目線を私に向けてきた。
「考えんの面倒くさいから考えないよーにしてんのに、ずっとアンタの事考えちゃうんだけど……これって何?」
『ーーーーーえ。』