第19章 看病してくれるのは…?
それから「手当てなんて必要ない。」と言い張る凛さんを無理矢理座らせ、強制的に頬の手当てをし、口元の絆創膏も貼り直した。
満足気に笑う私を見て凛さんは、眉間に深い皺を寄せうんざりしたようにため息を吐いた。
「もういいだろ、俺は戻る。」
『あっ、はい。引き留めてしまってすいませんでした。
お大事にして下さい。』
立ち上がる凛さんにペコッと頭を下げると、
「・・・・お大事に、はそっちだろーが。」
『ーーーえ、、』
まさかそんな風に言ってもらうるとは思わず固まっていると、
「ぼけっとしてねぇで早く休めっつってんだよ、何回も言わせんな。」
肩越しにそう吐き捨てると、足早に部屋を出て行ってしまった。
ーーー凛さん…。
口調はキツイけど、不器用な優しさに気づいてしまった私は肩を震わせた。
『・・・ふふっ。』
クールな凛さんの意外な一面を見れた気がして、1人笑みを溢した。