第1章 幼馴染
正直、サッカーの事はよく分からない。
そもそもサッカーって何人でやるんだっけ?
10人ぐらい?
そんな初歩中の初歩の事なんて聞けるワケもなく、画面に目を向けながらずっと気になっていた事を聞いてみた。
『玲王…ご両親の反対押し切ったんだって?大丈夫なの?』
「あー、まぁ何か色々言われたな。親父には日本代表を背負うぐらいじゃなきゃ認めないって言われた。」
『に、日本代表⁈そんなのっ、、』
無理でしょ、って言葉はギリギリのところで飲み込んだ。
「そもそも俺の夢はW杯優勝だし。
日本代表なんてただの通過点にすぎねーっつうんだよ、クソ親父が。
俺はさらにその先、優勝杯を手にするんだからな。」
・・・・・凄い自信。
昔から何でも器用にこなしてきた玲王が言うと、本当に実現するんじゃないかと思えるから凄い。
おじさんは玲王を御影コーポレーションの後継者にしたくて、サッカーを諦めさせる為に言ったのかもしれないけれど…
欲しいものを見つけてしまった玲王にとって周りの声は最早ノイズにしか聴こえてない。