第1章 幼馴染
「ほらっ!観ろよこの神プレー‼︎」
興奮気味に携帯を見せてくるこの歳下の幼馴染は、いつの間にか私より前を歩き、親が敷いたレールではなく、自分の決めた道をひたすら真っ直ぐに進み始めている。
『玲王は凄いなぁ、、、』
「ーーーあ?何が?」
『私はずっと親の言われるがままに生きてきたからさ。
高校も大学も、きっとこの先の就職だって…。
レールから外れるなんて考えた事ない。』
膝を抱えて小さくなると、玲王はようやく私に視線を向けた。
「はそれでいーのかよ。そんな人生、退屈じゃねーの?」
『・・・退屈かどうかも分からない。
私は玲王みたいに、今更自分で生き方なんか決められないし…。
やりたい事も夢もないしね。
我ながらつまらない女だと思うよ…。』
はぁ〜とため息を吐き、ベッドに頭をもたげた。
すると、
「あぁ。確かにつまんねー女だな。」
冷めた口調で玲王が呟いた。