第6章 初仕事
自動で扉が開き、モニタールームの中へ足を踏み出した所で……
『あ、、、』
1人の選手が画面の前に座っていた。
邪魔したら悪いと思いそのまま部屋を出ようとすると、気配に気付いたのかその人が振り向いた。
「・・・あぁ、掃除の時間ですか?」
私は慌てて手にしていたモップを背中側に隠しながら首を横に振った。
『いっ、いえっ、、大丈夫です…!使ってない時間にやりますので…お邪魔してすいません…』
「いえ、僕ももう戻らない時いけないので、大丈夫ですよ。」
物腰の柔らかい口調のその人は確かーーーー
昨夜覚えた選手のデータを頭の中で辿っていく。
チームYのニ子さんだ…‼︎
ん?チームY、、、、?
そこでふと疑問が浮かんだ。
『あれ、、?今モニターに映ってるのって……』
「えぇ、先程試合が終わったチームZとチームWの映像です。」
てっきり自身のチームの映像をチェックしているのだと思ってたけれど、違うらしい…。
すでに試合結果は棟内で知らされていて4-4の引き分けだったはず。
チームZは一次選考を何とか首の皮一枚で繋いだ結果になった。