第5章 迷子
「お前ら…何やってんだ?」
男達はビクッと肩を上下させ、立ち止まった。
「ーーーおい、聞こえねーのか?』
低く怒気を孕む声。
すると、
「逃げるぞっ‼︎」「あっ、ずりっ‼︎」
2人は私を置き去りにすると、そのまま背を向け走り去って行った。
た、助かったーーー…
一気に力が抜け、その場にへたり込む。
「おいっ!大丈夫か⁈」
オレンジ色の髪をしたその人は側へと駆け寄って来ると、私の前にしゃがみ込んだ。
「何も…されてねーか?」
さっきまでとは違う優しい声に目頭が熱くなる。
『はい…。あの、、ありがとう、、ございます……』
「いや…無事なら良かった。とりあえずそこ、座るか?」
私が小さく頷くと、その人はそっと私の手を引き立ち上がらせてくれた。
さっきの男とは違う優しく温かい手。
『すいません…。』
「気にすんなって。ちょっと座っててな、水取ってくる。」