第5章 迷子
『あっ、、あの、、、私……、今日ここに入ったばっかりで、、、迷っちゃって、、、』
「ウケる〜‼︎迷子になっちゃった感じ⁇
超可愛いんだけど〜♡」
「ははっ、じゃあ俺らが案内してあげるよ。ほらこっち、着いておいで?」
その人は私の手をとると、ぐいぐいと食堂の奥へと入って行く。
『えっ、、?あのっ、、、』
「大丈夫大丈夫〜♪」
「あー‼︎お前手繋いでずりーぞー‼︎」
足を止めたいのに、、、
手を引く力が強くて引っ張られる……‼︎
しかもこれ、私が入って来た入り口じゃない方へ向かってない…⁇
そもそも案内するって、、、
この人達、私の部屋の場所なんて知らないはずだよね…⁇
このまま着いて行くのはヤバい気がする…。
『ちょっ、、、あのっ、、手、離してもらえませんかっ⁈』
「え〜、せっかく捕まえたのに?手離したら逃げちゃうんでしょ?
だったら離さなーーい。」
その人は厭らしい笑みを浮かべるとぐっと握る手に力を込めた。
『は、離して下さい…っ⁉︎⁉︎』
必死で大きな声を上げた時、もう1人の人に口を押さえられた。
「しーーー。大きな声、出しちゃダメだよ?」
この人、、、口調は優しいけど目の奥が笑ってない……
サーーッと血の気が引いていき、恐怖から膝が震え出す。
どうしよう……どうしよう……‼︎‼︎
助けを求めたくても声も出せない…‼︎
誰かーーー、、、助けて、、、‼︎‼︎
「さ、行こーか?」
心の叫びも虚しく、強引に手を引っぱられた時ーーーー
「お前ら…何やってんだ?」