第3章 トクベツ
私の言葉に玲王は少し驚いた様子を見せた。
変な事、言ったかな?と首を傾けて玲王を見つめると、大袈裟に視線を外された。
「・・・そんな真っ直ぐ言われると…なんか照れる。」
『え?何で照れるの?素直に玲王の事、応援してるって言ったのにーー。』
顔を隠そうとする玲王の手をツンツンと指でつついていると、
「ーーー。」
反対側の手が伸びてきて逆に手首を掴まれてしまった。
『な、なに…?』
びっくりしたーーー。
先程までとは違う、熱の込もった眼差しを向けられドキッとする。
「・・・俺は明日、JFUの本社に行く。
強化選手ってぐらいだからこれまでの生活スタイルは変わると思う。
遠征なのか合宿なのか、期間もまだよくわかんねー…。」
『そう、なんだ…。』
掴まれた手首に力が込められ、触られた場所から熱が伝わってくる。
「だから…俺がいない間、誰のものにもならねーでくんない?」