第3章 トクベツ
『え?もしかして…玲王の話しってそれ?』
「違っ!いや、、、違わないか、、、。
最近凪と随分仲良さそうじゃん?
が今まで男とつるんでんの見た事なかったから、そういう仲なのかと思ったんだよ。」
『・・・凪とは別に…。
あのマイペースで独特の空気感が私は逆に落ち着く、というか…。
まぁほとんど寝てるから気も遣わなくて楽なんだけど。』
「ふーーーーーん。」
つまらなさそうに相槌を打つ玲王を横目でジロリ、と睨みつける。
『え?人に話し聞いといて何よその態度〜。
玲王が変な話しするからでしょ⁇』
「変な話しって何だよ。別にフツーだろ⁈
つーかさ……。」
『・・・?』
玲王の顔つきが変わった。
「俺、今はサッカーの事しか考えられねーんだよ。
朝から晩まで、ずっと。それこそ布団の中入ってもイメトレしてるし。」
『へぇ…。』
相変わらずのストイックぶりに感嘆の声が漏れる。
「実際今、すっげー調子良いし、凪と2人ならマジで世界一も夢じゃないって思ってる。
そしたらさ、タイミングよく俺ら2人共JFUの強化選手に選ばれたんだよ。」
『ーーーー…。』
「こんなチャンス2度とないし、俺はすぐに食らいついたよ。
まぁ凪は嫌がってたけど(笑)
けど、ぜってーこのチャンスをモノにする。
それでそのまま日本代表まで昇り詰める。」
玲王の目に意思が灯った。
『うん…。私は応援してるよ、玲王の事。』
それは素直に出てきた言葉。
周りが何て言おうと、私は玲王の夢を応援する。