第3章 トクベツ
『・・・・え?』
そして次の瞬間、
唇に柔らかい感触が当たっていた。
それがキス、だという事にすぐに思考が追いつかず目を見開いたまま固まっていると、
「ファーストキス、だろ?」
唇を離した玲王が私の耳元に口を近づけ囁いた。
『〜〜〜ッ⁉︎⁉︎』
バッと耳に手を当て声にならない声を上げると、玲王はしたり顔で笑った。
「これからしばらく離れる事になるかもしれねーからマーキング。」
『はっ、、、はぁ〜〜⁈⁈』
マーキングって、犬じゃあるまいし‼︎‼︎
真っ赤な顔で睨みつけると、玲王はニッと口の端を吊り上げ挑発的な笑みを浮かべた。
「今はサッカーの事で頭いっぱいで誰かと付き合うとか考えらんねーけど、は俺ん中でトクベツなんだよ。
だから俺以外の男に懐くな。」
『〜〜っ、さっきから勝手な事ばっかり‼︎
私にだって選ぶ権利あるんだからね⁈』
「へぇ〜俺より良い男なんて早々見つからないと思うけど⁇」
べっ、と舌を出しておどける玲王の胸をバシッと叩いた。
『と、歳下のくせに生意気なんだからっ‼︎‼︎』
全然痛くねーし、と笑う玲王。
この笑顔に私は昔から弱い。