第3章 トクベツ

す、すきなやつ？

てっきりおじ様との事を勘繰られてるとばかり思っていた私は、拍子抜けしてしまう。



「いんの？」


一方、玲王の表情は至って真剣だ。　


何故、今それを聞くのかは分からないけど、私は苦笑いを浮かべながら首を横に振った。


『好きな人なんていないよ〜。真面目な顔して聞いてくるからビックリしたじゃん…。』


玲王は掴んでいた手をパッと離すと、自嘲気味な笑みを浮かべ目を伏せた。


「そっか…。いや、そうだよな…いきなり悪かった。」


『玲王……？』


「はぁ、だっせーよな。何びびってんだ俺…。」


玲王は前髪をぐしゃっと掻き上げ、独り言のように呟いた。



・・・・こんな玲王、初めて見たかも…。
耳、赤くなってるし。