第2章 秘密の場所
「ーーーあ。ばくだん。」
『っ⁉︎〜〜〜げほっ‼︎』
驚きでご飯が喉に詰まりかけ、慌ててお茶に手を伸ばす。
ゴクゴクと喉を鳴らしながら何とか流し込むと、
「大丈夫ーー?」
"なぎ"がゆったりとした足取りで近づいて来た。
び、びっくりしたーーーー
後から登場するパターンは考えてなかった…!
『だ、大丈夫、、、です。』
ペコッと軽く頭を下げると、"なぎ"は私の近くに腰を下ろした。
『・・・昼寝、しに来たんですか?』
「んーー。それもあるけど、お腹空いたから来てみた。」
『・・・・?』
首を傾けると、彼は私の手に持っているおにぎりを指差した。
「ばくだん、また食べれるかなって。」
『えっ⁈こ、これ、、、⁇』
もしかしておにぎりを食べに来たって事…⁇
私が此処にいるかどうかも分からないのに?
ぱちぱちと目を瞬かせると、
「うん。1こちょーだい。」
普通なら無遠慮で失礼なセリフも、不思議と彼が言うとそんな風には聞こえない。
むしろお腹を空かせた子供のようで思わずフフッと口元が緩んでしまった。
『フフッ、はいどーぞ。』
「ヤッター。」
早速おにぎりを頬張る"なぎ"を横目に、私もパクッと一口齧る。
おそらく混んでる食堂や購買に行くのが面倒くさかったからなんだろうけど……。
それでもまた食べたいって思ってくれたのが嬉しかった。
おにぎりを食べながら私は本を読み、その横で"なぎ"は携帯ゲームをする。
これといって会話をする訳でもなく、静かな時間が流れていく。
そんな距離感がちょうど良かった。